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フリーランス・個人事業主個人事業主のススメ 2021.05.14

個人事業主になるには何が必要?個人事業主になる前と後ですべきこと

近年では「組織」ではなく「個」の時代へと変化してきていると言われています。

時代の変化に伴い、個人事業主として独立を検討している方もいるのではないでしょうか。

しかし、いざ個人事業主になろうと考えていても何から始めたらいいのか、そもそもどうすれば個人事業主になれるのか分からない方もいるかと思います。

そのような方のために、本記事では個人事業主になるには何が必要なのか、個人事業主になる前と後ですべきことなどをご紹介していきます。


個人事業主とは

個人事業主とは、税務上の区分で、法人を設立せず個人で何らかの事業を行っている人のことを指します。

国税庁の「No.6109 事業者が事業として行うものとは」で、個人事業主の例として「小売業」「卸売業」「賃貸業」「運送」「請負」「加工」「修繕」「医師」「弁護士」「公認会計士」「税理士」などを挙げていますが、これらの職種以外でも個人で事業を行っていれば個人事業主に該当します。

>>個人事業主について詳しくはこちら<<

個人事業主とフリーランスの違いとは?

個人事業主は税務上の区分を表すのに対して、フリーランスは契約や働き方を指します。

そのため、「開業届」と呼ばれる「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出することで、税務上の区分である個人事業主として認められます。

>>個人事業主とフリーランスの違いについて詳しくはこちら<<

個人事業主と法人の違いとは?

個人事業主と法人の違いは、大きく分けて3つあります。

1つ目は、「設立手続きの方法」です。

個人事業主は開業届を提出するだけで開業できますが、法人は定款作成や設立登記など複雑な手続きがいくつかあります。

2つ目は、「納める税金の種類」です。

個人事業主は所得税を納めますが、法人は法人税を納めます。

個人事業主にかかる所得税は所得に応じて5%から45%の税率が課せられるのに対して、法人税の税率はおよそ15%から25.5%です。

3つ目は、「社会的信用度」です。

個人事業主は法人より簡単に開業ができれば廃業もできてしまうため、個人の一存で事業を辞められます。一方で法人が廃業する場合は、株主総会の決議や官報への公告、法務局での登記、税務申告などの複雑な手続きがいくつかあります。

このような制度や事業規模の違いから、一般的に個人事業主よりも法人の方が高く評価されやすいです。

個人事業主と法人のメリット・デメリット

中には「会社を辞めて個人事業主になるか、法人を設立するか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

それぞれのメリット・デメリットを理解した上で選択するのも手です。

個人事業主になるメリット・デメリット

まずは個人事業主になるメリット・デメリットについてご紹介します。

個人事業主になるメリット

  • 開業手続きが簡単で費用がかからない
  • 実力次第で収入を大きく伸ばせる
  • 自由な働き方もできる
  • 人間関係をコントロールできる
  • 青色申告での恩恵を受けられる
  • 自宅兼オフィスの場合、家賃や電気代の一部も経費にできる
  • 事業所得とその他所得を合算できる
  • 屋号で口座管理できる

個人事業主になるデメリット

  • 収入が安定しない可能性がある
  • 福利厚生や各種社会保険が充実していない
  • 確定申告を自分でする必要がある
  • 社会的信用が得にくい
  • 事業が拡大した場合、法人のほうがメリットが大きい

法人化するメリット・デメリット

続いて法人化するメリット・デメリットについてご紹介します。

法人化するメリット

  • 法人税は所得税より累進性が低い
  • 社会的信用が高い
  • 経費の計上範囲が広い
  • 資金調達がしやすい
  • 優秀な人材が集まりやすい
  • 決算日を自由に決定できる
  • 事業継承がしやすい
  • 個人資産が差し押さえを受けない

法人化するデメリット

  • 会社の設立・運営に時間やコストがかかる
  • 社会保険への加入が義務付けられている
  • 事務負担が増加する
  • 会社のお金は自由に使えない

個人事業主と法人のメリット・デメリットについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>個人事業主と法人のメリット・デメリットについて詳しくはこちら<<

個人事業主になるには

個人事業主とフリーランスの違いとは?」でも説明した通り、開業届を提出さえしていれば個人事業主として認められます。

しかし、個人事業主としてのメリットを最大限享受するためには、開業届以外にも提出しておいた方が良い書類があります。

開業届を含め、提出を推奨する書類について解説していきます。

開業届

開業届は正式名称で「個人事業の開廃業届出書」と呼び、個人事業を開始したことを税務署に宣言するために行います。

新たに事業所得、不動産所得または山林所得が生じる事業を開始した人を対象者とし、開業日から1ヶ月以内に納税地を所轄する税務署に提出しなくてはなりません。

これは所得税法第229条で定められていることですが、提出しないからといって罰則があるわけではありません。

そのため、中には提出せずに個人事業主として事業を行っている方もいます。

しかし、所得税法に定められているように開業届の提出は義務です。また、提出することで様々なメリットを享受できるため、必ず提出しておきましょう。

例えば以下のようなメリットがあります。

  • 青色申告ができるようになる
  • 事業者として認められやすい
  • 屋号で銀行口座の開設ができる
  • クレジットカードの発行、ローンが組みやすくなる
  • 小規模企業共済に加入できる
  • 確定申告の書類が一式税務署から送られてくる
  • 税理士に無料で記帳指導をしてもらえる
  • この事業でやっていくんだという覚悟が固まる

開業届についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>開業届について詳しくはこちら<<

青色申告承認申請書の提出

青色申告承認申請書とは、青色申告の承認を受けるための申請書です。

この青色申告承認申請書はいつでも提出できますが、開業してから2ヶ月以内に所轄の税務署に提出しないとその年は青色申告事業者として認められないので気をつけましょう。そのため、青色申告承認申請書は開業届を提出するタイミングでの提出が望ましいです。

なお、この青色申告承認申請書を提出していない場合は白色申告者となり、青色申告で得られるメリットを享受できません。

青色申告をすることで享受できるメリットは次の通りです。

  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 赤字の繰越繰戻ができる
  • 青色事業専従者の給与を経費に算入できる
  • 貸倒引当金を必要経費に計上できる
  • 少額減価償却資産の特例が認められる

一方で白色申告は特別控除がなかったり、赤字の繰越繰戻もできなかったりと青色申告に比べてメリットが少ないです。

青色申告、白色申告どちらが自身にとってメリットが大きいのかを事業収入や経費など様々な観点から見た上で検討すると良いでしょう。

白色申告や青色申告、青色申告承認申請書についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>青色申告について詳しくはこちら<<

>>白色申告について詳しくはこちら<<

>>青色申告と白色申告の違いについて詳しくはこちら<<

その他の届出

その他、必要に応じて提出しておいた方が良い書類があります。次の3つです。

  • 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
  • 源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書

それぞれについて詳しくご説明していきます。

青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書

個人事業主になった際に配偶者や親族に事業を手伝ってもらおうと考えている方もいることでしょう。

配偶者や親族に事業を手伝ってもらい、給与を支払うのであれば、この「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」を提出することをおすすめします。

この書類を提出しておくことで、配偶者や親族に支払った給与を必要経費として算入できます。

ただし、「青色申告者と生計を一にする配偶者もしくは親族であること」や「その年の12月31日現在で15歳以上であること」などの要件があります。

また、提出期限は必要経費に算入しようとする年の3月15日までに所轄の税務署に提出しなければなりません。

個人事業主になる前に親族に手伝ってもらうことが決定しているのであれば、条件を確認の上、開業届や青色申告承認申請書と同じタイミングで提出すると良いでしょう。

青色事業専従者給与の詳しい要件やメリット・デメリットなどについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>青色事業専従者給与について詳しくはこちら<<

源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書

たとえ個人事業主だとしても人を雇って給与を支払っていたり、源泉徴収の対象となる報酬や料金を支払っていたりする場合は必ず源泉徴収を行う必要があります。

そもそも源泉徴収とは、給与や報酬を支払う事業者が所得税をあらかじめ給与や報酬から差し引き、代理で納税する制度のことです。

つまり源泉徴収の対象となる所得の支払いをする事業主であれば、法人・個人関係なく源泉徴収した所得税は国に納めなければなりません。

本来は給与や報酬・料金を支払った月の翌月10日までに所轄の税務署か、金融機関を通して納税する必要があります。

しかし、この「源泉所得税納期の特例の承認に関する申請」を行えば、年2回にまとめて納税できます。

ただし、従業員数が常時10人未満である源泉徴収義務者でなければ適用されません。

また、この申請に関しては提出期限がないため、開業時に提出するかどうかは必要に応じて判断しましょう。

源泉徴収やの詳しい要件や、源泉所得税納期の特例の承認に関する申請についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>源泉徴収について詳しくはこちら<<

給与支払事務所等の開設届出書

給与支払事務所等の開設届出書は、事業主が従業員へ給与を支払い、源泉徴収することを税務署に知らせるための書類です。

もし提出しなかった場合、源泉所得税の納付書が届きません。納付書が届かないからといって放置しないようしましょう。なぜなら、源泉所得税の納付期限を1日でも遅れてしまうと、不納付加算税や延滞税といった罰金が課されてしまうからです。

余計に税金を支払う事態にならないよう、給与支払事務所等の開設届出書を必ず提出し、納付期限内に源泉所得税を納めるようにしましょう。

ただし、開業時に雇用を予定しており、開業届を提出している場合は不要です。開業届出書に従業員に関する記入欄が設けられているので、その箇所に記入していればこの書類を別途提出する必要はありません。

途中で従業員を雇用することが決定した際や、開業届出書に記入していない際には、従業員を雇用することになってから1ヶ月以内に給与支払事務所等の所在地の所轄税務署に持参、または郵送しましょう。

詳しくは国税庁の「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」をご覧ください。

個人事業主になる前にすべきこと

個人事業主になると決めてからすべきことは、上述した届出書や申請書を出すだけではありません。

ここでは個人事業主になる前にすべきことや、準備しておいた方が良いことをご紹介します。

退職願を提出する

民法上、期間の定めのない雇用契約については、2週間前までに退職の意思表示をすれば良いと定められています。

しかし、就業規則に1ヶ月前と記載している会社がほとんどのため、1ヶ月前に意思を伝えることが一般的です。

業務の引き継ぎのためにも、早めに退職願を提出しておくに越したことはないでしょう。

また、個人事業主として活動していく中で、働いていた会社が仕事を依頼してくれるケースもあります。そのため、なるべく円満退職になるように会社のルールに則った退職が望ましいです。

会社の備品や証明書の返却、会社から必要書類をもらう

例えば身分証や社員証などの証明書から、会社から支給されたパソコンやスマートフォンなどは退職時に必ず返却しましょう。

返却していないと後々トラブルとなってしまう恐れがあります。紛失することのないように常日頃から大切に管理しておきましょう。

反対に会社からも受け取っておくべきものもあります。源泉徴収票や年金手帳などは必ず受け取っておきましょう。今後、個人事業主として活動していく上で必要となる可能性があります。

例えば源泉徴収票は、退職した年に確定申告を行う際に必要です。年金手帳も国民年金の加入手続きをする際に必要になります。

何を会社から受け取っておけばいいのかを自身で洗い出し、退職時にもらったかどうかを確認しておきましょう。

退職の挨拶メール・手紙などを送る

退職の挨拶は義務ではありませんが、円満退職をするためにもきちんと挨拶をした上で退職することをおすすめします。

これまでお世話になった方や取引先などに退職の挨拶メールや手紙を送ることで、今後仕事に結びつく可能性もあります。そのため、退職の挨拶はしておいて損はないでしょう。

しかし、場合によってはお世話になった方や取引先が競合となり得ることもあるので、営業的な要素ばかり伝えるのは好ましくありません。あくまで退職の挨拶として、お世話になった方に感謝を伝えることを前提としましょう。

税金や保険料を支払うお金を確保する

国民健康保険料や住民税は前年の所得に基づいて課税計算が行われるため、会社在籍時の収入が高ければ高いほど課税額も高くなります。

また、会社員であれば社会保険料は会社が負担してくれていた分もありますが、個人事業主の場合は全額自己負担となります。もちろん個人事業主と会社員とでは加入する社会保険が異なるため、個人事業主の方が支払う保険料が大きいとは一概には言えません。

しかし、税金や保険料分のお金を確保しておらず、納付書が届いてから想定以上の額で支払えないなんてことにならないよう、個人事業主になる前に「税金支払用」として貯金しておくことをおすすめします。

クレジットカードを作る

会社員であるうちに必ずしておくと良いことの1つに、クレジットカードの作成があります。

個人事業主はどうしても社会的信用が得にくいため、審査が必要なクレジットカードは作成しづらいというデメリットがあります。

そもそもクレジットカードは必要なのかに関してですが、あった方が何かと便利です。

事業に関する支払いを全てクレジットカードにすれば経費管理も楽になります。また、事業を行っていく上で高価な備品が必要になった際にも、クレジットカードがあれば分割払いが可能です。

その上、クレジットカードはポイントが貯められるため、貯まったポイントをカードの利用料金にあてることで経費削減にも繋がります。

ビジネスカードについて

開業後にビジネスカードを作成するという手もあります。

ビジネスカードとは、個人事業主・小規模事業者向けの法人クレジットカードです。

例えば以下のようなビジネスカードがあります。

上記に挙げたクレジットカードは、独立直後でも比較的審査が通りやすいカードです。

しかし、必ず審査が通るというわけではなく、場合によっては審査に落ちる可能性ももちろんあります。ビジネスカードを作成したいという方は、ある程度実績を積んでから作成した方が安心でしょう。

ビジネスカードを作成するメリットとしては、個人用のクレジットカードに比べて利用限度額が大きいという点です。

もし、毎月の支出が利用限度額を超えるようであれば、ビジネスカードを検討した方が良いでしょう。

また、ビジネスカードの中にはクラウド会計ソフトとの連携しているものがあるため、会計処理が楽になるというメリットがあります。

他にも、無料で税理士相談が受けられたり、国内外の空港ラウンジが利用可能であったりとビジネスで使えるサービスが付帯されていることが特徴です。

しかし、ほとんどのビジネスカードは年会費がかかるので注意しましょう。

賃貸契約やローンなどの手続きをする

賃貸契約やローンを組む場合、上述のクレジットカード作成と同様に審査が必要です。

もし、引っ越しを検討していたり、住宅ローンを組もうと考えていたりするのであれば、なるべく会社員であるうちにしておいた方が良いでしょう。賃貸契約やローンなどの審査の際にも、社会的信用が重要だからです。

特に独立直後は審査が通りにくいと言っても良いです。もちろん全ての契約やローンで審査が通らないとは一概には言えません。

賃貸契約であれば、家賃数ヶ月分の預貯金が必要であったり、取引先の数や内容を提示したりといった条件を満たせば審査が通ることもあります。

しかし、独立後に引っ越しやローンを検討しているのであれば、開業から年数を重ねてからの方が安心です。その方が審査が通りやすくなるだけでなく、選択できる物件やローンの種類の幅も広がります。

複業で個人事業主になる場合

もし会社員のまま複業(副業)で個人事業主になろうと考えている方は、まずは会社の就業規則を確認しましょう。就業規則で複業が禁止されている可能性があります。

近年では政府が副業を推進していることから、複業を禁止としていない会社も増えつつあります。しかし、それでもまだ禁止にしている会社も多いため、複業で個人事業主になるのであれば事前に社内規定を確認する必要があります。

もし、複業禁止であるにも関わらず複業を行った場合、懲戒処分や解雇などの重い処分がくだされる恐れがあるので注意しましょう。

また、複業での仕事の方が忙しいからといって、本業をおろそかにしては元も子もありません。

本業をおろそかにしていることで、一部の社員から反感を買う可能性があります。周りからの評価を上げていけるような複業をしましょう。

個人事業主になった後にすべきこと

個人事業主になる準備が整ったのであれば、ここからは個人事業主として開業後に必ずすべきことと、すると良いことの2つに分けてご紹介していきます。

個人事業主になった後に必ずすべきこと

まずは必ずすべきことを説明します。個人事業主になったのであれば必ずしなければならないことなので、忘れないようにチェックしておきましょう。

国民健康保険に加入する

必ずしなければならないことの1つが、国民健康保険への加入です。

会社員であれば会社の健康保険に加入していましたが、個人事業主は個人で国民健康保険に加入しなければなりません。

国民健康保険への加入の必要が生じた場合、退職後14日以内に居住地の市区町村役場で手続きを行いましょう。

万が一、加入の手続きが遅れてしまうと、その間健康保険証がないので医療費が全額自己負担になったり、保険料をさかのぼって支払わなければならなかったりと必要以上にお金がかかってしまう可能性があります。必ず期限内に手続きを行いましょう。

もしくは、会社の健康保険を任意継続するのも手です。

退職等で加入資格が喪失した後、20日以内に手続きを行うことで加入を継続できます。ただし、最長2年間の期限付きのため、2年後には国民健康保険に加入しなければならない点に注意しましょう。

他にも、健康保険や国民健康保険とは別に、建築や土木、医師、美容などの業種ごとに加入できる国民健康保険組合があります。

どの保険に加入するかは、自身の状況や保険料などを鑑みた上で検討するようにしましょう。

個人事業主の保険についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>個人事業主の保険について詳しくはこちら<<

国民年金に加入する

個人事業主は会社で加入していた厚生年金には入れません。なぜなら、厚生年金は会社員や公務員などが対象の年金制度だからです。

そのため、個人事業主は国民年金に加入する必要があります。退職後14日以内に居住地の市区町村役場で加入手続きを行いましょう。

また、国民年金は厚生年金と比べて将来受け取る年金額が少ないです。しかし、方法次第で将来受け取る年金を増やせます。

例えば、iDeCoと呼ばれる「個人型確定拠出年金」は自身で掛け金と運用方法を選択し、60歳以上になるとその掛け金と運用益を老齢給付金として受け取れます。

その他にも国民年金基金や付加保険料などがあります。将来に備えてこのような年金制度の利用も検討しておきましょう。

個人事業主の年金についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>個人事業主の年金について詳しくはこちら<<

確定申告の準備をする

個人事業主は年間の所得が48万円を超えると確定申告をしなければなりません。

所得とは「売上(収入)から経費を引いた金額」のことです。そのため、毎月4万円ほどの所得があれば確定申告をしなければならないという点は押さえておきましょう。

確定申告をスムーズに行うためには、事前に様々な準備をしておく必要があります。

まずは上述した「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出は忘れないようにしましょう。

案外忘れがちなのが、「e-Taxの開始手続き」です。

青色申告で65万円の特別控除を受けるためには、e-Taxか電子帳簿保存のどちらかでの申告が条件となっています。

電子帳簿保存でも問題ありませんが、e-Taxの方が手間がかからず簡単です。

「電子帳簿保存って会計ソフトで帳簿データを保存していれば良いのでは?」と考えている方もいるかもしれませんが、そういうわけではありません。

電子帳簿保存の適用を受けるためには、「記録事項の訂正、削除を行った場合の事業内容を確認できること」「通常の業務処理期間を経過した後の入力履歴を確認できること」「電子化した帳簿の記録事項とその帳簿に関連する他の帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できること」などの厳しい要件があります。

詳しくは、国税庁の「電子帳簿保存法上の電子データの保存要件」をご覧ください。

e-Taxであれば「電子申告・納税等開始届出書」を税務署に提出するだけで問題ありません。マイナンバーカードを利用してe-Taxにログインする「マイナンバー方式」であればこの届出も不要で、e-Taxホームページから利用開始手続きをすれば完了します。

もしマイナンバーカードをお持ちでない方は、これを機に作成することをおすすめします。

e-Taxのメリット・デメリットや、e-Taxで確定申告する方法などについて詳しくは、「e-Taxとは何か?電子申告での確定申告のやり方や開始届について詳しくご紹介!」をご覧ください。

なお、複業で個人事業主をしている方は、所得が年間20万円を超える場合に確定申告が必要です。

確定申告についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>確定申告について詳しくはこちら<<

個人事業主が支払う税金

そもそも個人事業主が支払わなければならない税金には何があるのかをご説明します。

個人事業主が支払うべき税金は、主に以下の4つです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 消費税
  • 個人事業税

他にも不動産を所有している場合にかかる「固定資産税」や、対象となる報酬や料金を支払っていたり、人を雇用していたりすればかかる「源泉徴収税」があります。

個人事業主にとって最も大きな負担となる税金は所得税です。

課税所得金額の算出方法は「売上(収入)-経費-各種所得控除額」のため、経費控除額が大きければ大きいほど、課税所得金額が小さくなるという仕組みです。

課税所得金額が小さくなれば所得税額も小さくなるので、個人事業主は必要経費を漏れなく計上し、控除を活用することで節税を行っています。

個人事業主の税金の種類や計算方法、節税対策などについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>個人事業主の税金について詳しくはこちら<<

個人事業主が活用できる控除

個人事業主が活用できる控除は主に以下の8つです。

  • 基礎控除
  • 青色申告特別控除
  • 社会保険料控除
  • 医療費控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除

ケースによっては他にも活用できる控除があるので、「控除とは?どれだけお得になるかを控除の種類別に詳しくご紹介します!」で自身はどの控除が適用されるのかを確認しておきましょう。

個人事業主になった後にすると良いこと

必ずしなければならないというわけではありませんが、開業後に行っておいた方が今後役立つことについてご紹介します。

屋号を決める

屋号とは、個人事業者が事業上で用いる名前のことをいいます。

屋号は必ず付けなければならないものではありません。そのため、屋号を付けていない個人事業主もいますが、付けておく方が何かと便利です。

例えば屋号付きの銀行口座が開設できたり、社会的信用が得られたりといったようなメリットがあります。

また、屋号の登録手続きも難しくありません。開業届、もしくは確定申告書に屋号の名称を記入する欄があるので、その箇所に記載して提出するだけで登録できます。

開業や確定申告のタイミングで同時に屋号の登録もできるため、別途税務署に手続きをしに行く必要がありません。途中から屋号をつけることも可能です。

事業用の銀行口座を開設する

プライベートと事業用の支出を区別するためにも、事業用の銀行口座を開設しておいた方が良いでしょう。

プライベートと事業用の支出が同じ口座で行われていると、どちらがプライベート用なのか事業用なのかが分からず、経費管理に手間と時間がかかってしまいます。

経費管理をスムーズに行うためにも、事業用の銀行口座を開設しておいて損はありません。

また、事業用の銀行口座を作るのであれば、屋号付き口座を開設することをおすすめします。屋号付き口座とは、銀行口座の名義が「屋号名+氏名」となっている口座のことです。

屋号があるだけで個人名のみの場合よりも、取引先からの信用度が増すというメリットがあります。

もし、屋号付き口座を開設する場合は、手続きの際に開業届の控えが必要になるので忘れないようにしましょう。

会計ソフトを導入する

確定申告は簿記の知識が必要になります。特に青色申告は複式簿記という複雑な記帳方法で行わなければなりません。

しかし、会計ソフトがあれば簿記の知識が完璧でなくても問題ありません。もちろん会計ソフトを利用するにしても、会計や確定申告についての知識は多少必要ですが、今から簿記についての勉強を始めるより会計ソフトを利用した方が楽に確定申告が行えます。

会計ソフトによっては銀行口座やクレジットカードと連携しており、自動的に仕訳をしてくれるものもあるので、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。

以下3つは代表的な会計ソフトです。いずれも年間1万円ほどの費用で利用できます。

専門家に相談する

もし、確定申告や税について不安がある方は、税務署で無料の税務相談が定期的に開催されているので活用をおすすめします。

また、確定申告の時期になると特設会場が設置され、確定申告にまつわる無料相談もできます。

国税庁や最寄りの税務署のサイトに日程や場所が公開されているので、確認してみると良いでしょう。

また、個人事業主よりも法人でスタートした方が良いケースもあります。個人事業主と法人とでは税金の種類が異なり、負担する税率も異なるため、事業収入の大きさによっては法人でスタートした方が税金面で有利になる可能性があります。

独立する際には、今後事業収入や所得がどれほど見込めるかを考えた上で選択するようにしましょう。

それでも法人がいいのか個人事業主がいいのか悩んでいる方は、商工会や商工会議所で弁護士、税理士、社労士、各種コンサルタントなどの専門家が無料で相談に乗ってくれます。一度利用を検討してみてはいかがでしょうか。

ポートフォリオを作成する

ポートフォリオとは、クリエイターが自分のスキルや実績をアピールするための作品集のことです。

Webデザイナーやカメラマンなどのクリエイティブ系の職種で働く人にとっての営業道具と言っても過言ではありません。

企業の案件に応募する際はもちろんのこと、友人や知人の紹介で仕事の依頼をもらったり、案件を紹介するエージェントを利用したりする際にもポートフォリオの提出を求められます。

また、SNSに自身のポートフォリオを載せておけば、ポートフォリオを見た企業から案件の依頼がくることもあるので、クリエイティブ系の職種で独立を考えているのであれば必ず作成しておきましょう。

小規模企業共済に加入する

小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などが加入できる退職金の積み立て制度のことです。

毎月の掛け金を自由に決められ、掛け金が全額所得控除の対象となるので節税対策もできます。

また、積み立てた掛け金は退職時や廃業時に受け取れます。

ただし20年以上積み立てていない場合、元本割れとなるリスクもあるため、自分の今の年齢と仕事をいつまで続けられるかをよく考えてから加入しましょう。

小規模企業共済についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>小規模企業共済について詳しくはこちら<<

再就職手当の手続きをする

再就職手当とは、再就職を促進するための制度で、失業保険の受給中に再就職が決まった際に一定の条件を満たすことで受けられる給付金のことです。

個人事業主として開業した場合でも再就職手当の対象となります。

ただし再就職手当を受け取るためには、失業保険の受給申請を行う必要があります。

失業保険を受給できる人は「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就けない「失業の状態」にあること」が前提となっています。つまり失業していない状態だと受給申請が行えないということです。

したがって失業保険の受給申請を行う前に開業届を提出してしまうと、失業保険どころか再就職手当の受給申請もできなくなるので注意しましょう。

その上「雇用保険被保険者として、過去2年の間に最低12ヶ月以上働いた期間があること」も受給要件となっているので、もし過去2年の間に雇用保険に加入していなかったり、12ヶ月以上働いた期間がなかったりすれば失業保険の受給申請が行えません。

ただし、会社都合で仕事を辞めざるを得なかった方や自己都合であっても正当な理由があった方は働いた期間が半分(1年間で通算6ヶ月以上)でも適用されます。

受給要件について詳しくはハローワークの「基本手当について」をご覧ください。

また、再就職手当は下記すべての要件を満たす必要があります。

  1. 受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職、又は事業を開始したこと。
  2. 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
  3. 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
  4. 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待機期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
  5. 1年を超えて勤務することが確実であること。
  6. 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
  7. 過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。
  8. 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。
  9. 引用:ハローワーク「再就職手当のご案内」

失業保険および再就職手当の受給要件すべてを満たしているようであれば、失業保険の申請や開業届を提出し、再就職手当の申請も行いましょう。

再就職手当の申請期限は就職日の翌日から1か月以内です。再就職手当支給申請書と受給資格者証をハローワークに提出しましょう。

証憑書類をそろえる

証憑書類とは、契約書や納品書などの事業取引の証拠となる書類のことをいいます。

個人事業主が使用する証憑書類は主に以下の5つです。

  • 業務委託契約書
  • 見積書
  • 納品書
  • 請求書
  • 領収書・レシート

その他にも、振込明細書や出金伝票、従業員を雇用しているのであれば雇用契約書や給料支払明細書の控えなどが該当します。

もし上記で挙げた書類を自身が受け取った際は必ず保管しておきましょう。

特に請求書や領収書、納品書などの帳簿書類は、確定申告が終わった後も一定期間保存しなければなりません。原則として7年間の保管義務があるので年度ごとに分けて保管しておくと良いでしょう。

反対に、自身が取引先やクライアントに渡すことも多い書類なので、事前に用意しておくとスムーズに事業が開始できます。

クラウド見積・納品・請求書サービス「Misoca」や帳票作成ソフト「弥生」では見積書・納品書・請求書など簡単に作成できるので、活用してみてはいかがでしょうか?

業務委託契約書に記載すべき内容や雛形などについて詳しくは「フリーランスが業務委託契約書に記載すべき内容とは?雛形・テンプレートもご紹介」をご覧ください。

個人事業主のための補助金・助成金

個人事業主になるために費用はかかりませんが、事業を行っていく上で資金が必要となるケースも出てきます。例えば高額な機材の導入や売上増加に伴う仕入れなどで、資金が必要となるかもしれません。

このような状況に直面したときは、国が用意している個人事業主のための補助金や助成金を活用しましょう。

個人事業主が利用できる補助金・助成金は、主に以下の3つです。

  1. 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の生産性向上や持続的発展、地域の雇用創出を目的として支給される補助金です。

補助金額は最大で50万円が支給されます。

  1. ものづくり補助金

中小企業、小規模事業者を対象に、新たなサービス開発や生産プロセスの改善といった設備投資を補助するために支給される補助金です。

支給金額は事業累計ごとに設定されており、一般型では1,000万円、グローバル展開型では3,000万円、ビジネスモデル構築型では1億円と定められています。

  1. IT導入補助金

中小企業を対象に、業務のさらなる効率化や業務プロセスの改善を目的に用いられる汎用的なITツールの導入に活用される補助金です。

支給金額はA類型は30万円~150万円未満、B類型は150万円~450万円、補助率は費用の1/2で設定されています。

それぞれの公募期間や申請方法などについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

>>個人事業主・フリーランスへの支援制度について詳しくはこちら<<

さいごに

個人事業主になるにはどうしたらいいのか、個人事業主になった後に必要なことなどをご紹介してきました。

個人事業主になるための手続きには費用もかからず、開業届さえ出していれば簡単に個人事業主になれます。しかし、事業を一人で行っていくためにはそれなりの責任や義務を負わなければなりません。

個人事業主になった後のことも考えた上で、個人事業主になるかどうかを検討するようにしましょう。

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