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ワークスタイルテレワーク・リモートワーク 2019.11.25

働き方改革で話題のリモートワーク・テレワークに詳しくなろう!!

働き方改革の影響で、リモートワークやテレワークという言葉が広まっています。

子供の送り迎えや親の介護などを考慮すると、オフィス以外で働けるのは魅力的ですよね。

そこで、今回の記事ではリモートワークのメリット・デメリット、働き方改革との関連性、リモートワークを導入する際のポイントや注意点についてご紹介します。

リモートワークとは?

リモートワークとは、remote(離れて)-work(働く) という語源のとおり、会社のオフィス以外の遠隔地で働くことを指します。

ICT(情報通信技術)の発達により、通信インフラが整ったことでリモートワークという勤務スタイルが可能となりました。

勤務地は必ずしも自宅に限らず、近くのカフェやサテライトオフィス(会社の事業所以外の指定されたオフィススペース)での勤務もリモートワークに含まれます。

もともとリモートワークは、1970年代のアメリカで生まれた言葉です。車社会ゆえの交通渋滞と、環境破壊をしている大気汚染の緩和を目的にロサンゼルスから始まりました。

総務省の通信利用動向調査によると、リモートワーク(総務省ではテレワークと記載)の普及率は徐々に上がっているものの、平成30年の時点で導入した企業が19.1%なので、まだまだ浸透しているとはいえませんね。

リモートワークの導入率推移

とはいえ、リモートワークを実施した企業の80%以上が効果を感じているので、リモートワークを導入するメリットも十分ありそうです。

リモートワークに効果を感じた企業の割合

リモートワークに似ている言葉

では次に、リモートワークと似た意味を持つ言葉ついて説明します!

テレワークとは

tele(遠い)という接頭語がついているテレワーク、意味合いはほぼリモートワークと変わりません。

ただし、テレワークの方が昔からある言葉で、大手企業や政府が使用する傾向があり古風な表現とされます。

反対にリモートワークはベンチャー企業やIT系の企業でよく用いられます。

最近では、新型コロナウイルスの影響もあり「テレワーク」の方が浸透していますね。

日本テレワーク協会は、テレワークをICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方と定義しています。

テレワークの中にも分類があり、「雇用型テレワーク」「自営型テレワーク」の2つに区分しています。

雇用型テレワークは、企業や団体などに雇用されている従業員や職員がオフィス以外の場所で業務を行うことをいいます。
一方で、自営型テレワークは企業や団体などに雇用されていない人材が好きな場所で働くことをいいます。

そこから更に、下図のように分類されます。

テレワーク・リモートワークの分類

雇用型テレワーク

勤務場所の違いで次の3つに分類しています。

  • 自宅利用型テレワーク(在宅勤務):文字通り自宅で勤務する
  • モバイルワーク:顧客先や移動中にノートパソコン・スマホなどのICT(情報通信技術)を活用して、時間や場所に縛られず勤務する
  • 施設利用型テレワーク:勤務先以外のオフィス、自社で用意したサテライトオフィス、コワーキングスペースなどで勤務する

※コワーキングスペース…各々が独立して個人の仕事を行いつつ、そこで知り合った人とコミュニティを形成したり、知識やアイデアを共有し合う有料のワークスペースのことです。

自営型テレワーク

次の2つに分類しています。

  • SOHO:主に専業性が高い仕事を行い、独立自営の度合いが高いもの
  • 内職副業型勤務:主に他のものが代わって行うことが容易な仕事を行い、独立自営の度合いが薄いもの

※SOHO…SOHOには明確な定義はありませんが、一般財団法人 日本SOHO協会は、「IT(情報通信技術)を活用して事業活動を行っている従業員10名以下程度の規模の事業者」としています

なお、Small office/ Home officeの略称です。

後述するリモートワークの説明では、「テレワーク」という表記を省いていますが、テレワークにも当てはまる内容です。

在宅ワークとは

在宅ワークは、テレワーク(リモートワーク)に含まれる勤務スタイルです。
明確な定義はありませんが一般的に在宅ワークとは、企業と雇用関係を持たずに「個人事業主」として、パソコンやインターネット等のIT機器を活用し、自宅で仕事を行う働き方を指します。

しかし自宅に限らず、雇用・非雇用問わず好きな場所で働くことを「在宅ワーク」と呼ぶ場合もあります。

>>在宅ワークについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください<<

リモートワークの形態別の分類

勤務時間と雇用形態の違いで、リモートワークは以下の4つに分類できます。

フルタイム・リモートワーク

フルタイムという言葉通り、雇用形態に関わらず全勤務時間をリモートで仕事する勤務スタイルのことをいいます。

ミーティングもテレビ電話やWeb会議ツールなどを使って行われるので、出社する必要がありません。

ハイブリッド・リモートワーク

ハイブリッド・リモートワークは正規雇用社員のみを対象とした言葉です。

フルタイム・リモートワークとは異なり、特定の日に出社してそれ以外の日はリモートワークをする勤務スタイルのことをいいます。

普段はリモートワークで働いて重要な全体ミーティングの日だけ出社するような場合は、ハイブリット・リモートワークが適しています。

リモート・アウトソース

リモート・アウトソースは、勤務時間の全てをリモートで行う点ではフルタイム・リモートワークと同じです。しかし、会社と雇用関係のない外部人材にのみ使用されている勤務スタイルです。

外部人材に業務を委託し、委託された側はリモートで業務を行います。

テンポラリー・リモートワーク

テンポラリー・リモートワークは既出の勤務スタイルと異なり、勤務時間も定まっていません。例えば短い時間や有事の際だけリモートワークをする働き方です。

Temporary(一時的な)という語からわかるように、一時的なリモートワークをする形態なので、育児や介護と勤務を両立したい方にうってつけですね。

導入意図の違いによるリモートワークの分類

テレワークは、導入の意図によってBPRモデルとCSRモデルに二分化されます。

BPRとは「ビジネス・プロセス・リエンジニアリング」の略称です。BPRモデルは、企業本来の活動目的である業績や生産性の向上を目的として導入されたテレワークを意味します。

一方、CSRとは企業の社会的責任を意味する「コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ」の略称です。CSRモデルでは、環境問題への配慮や従業員のワーク・ライフ・バランスの向上など、社会全体や従業員個人に対して良い影響を及ぼす目的でテレワークを導入することを意味します。

なお、上記の2つの導入意図は両立可能です。

詳しくは国土交通省・総務省・厚生労働省・経済産業省の出している「企業のためのテレワーク導入・運用ガイドブック 」をご覧ください。

リモートワークのメリット

では、リモートワークを採用するとどのようなメリットがあるのでしょう。

企業側と社員側の目線別でメリットを紹介します!

企業側のリモートワークのメリット

まずは企業側のメリットをご紹介します。

優秀な人材の登用

リモートワークを認めると、基本的に社員は出社の必要がなくなるので、通勤できない範囲に住んでいる地方の人も採用の対象となり、採用可能な絶対数を増やせます。

そのため、親の介護や育児、病気などで、通常の会社の勤務スタイルだと働けないものの優秀である人を雇用する機会も生まれるのです。

加えて、「リモートワークが可能」という事実そのものが採用のアドバンテージとなり、これを一番のメリットと考える経営者も少なくないとか。

業務生産性の向上

慣習として残っている不必要な会議や、オフィスで働くと避けられない周囲の雑音などを排除して働けるので、必然的に業務の効率が上がります。

その上、通勤時間の削減で社員のプライベートの時間が増えれば、社員が精神面も健康な状態を維持でき、間接的にも生産性は向上するでしょう。

コスト削減

社員がオフィスに来る回数が減るので、それに伴ってコピー機などオフィスの備品代や光熱費、家賃や土地代などの固定費、更には交通費も削減することができます。

リスクヘッジ

台風や地震などの自然災害、パンデミック、停電、原子力事故、テロといった様々なリスクを回避できます。

リモートワークは出勤の必要がないので、交通機関の乱れや悪天候の際も影響を受けません。インフルエンザや感染症の流行も防げます。

もしリスクが襲ってきたとき、一箇所に全社員がいると全ての業務が止まってしまう恐れがあります。

しかし、リモートワークで社員が異なる場所にいれば、社員という企業資産を分散でき、業務を継続できるのです。

社員側のリモートワークのメリット

社員側のメリットは一言でまとめられます。

ワークライフバランスの調整

社員の目線でも、ワークライフバランスを理想に近づけられるのは大きいメリットです。

今まで通勤に使っていた時間が浮くので、その時間を趣味に充てることでプライベートを充実させたり、子供の送り迎えや親の介護など家庭の事情にも柔軟に対応したりすることができます。

また、働く場所をお気に入りのカフェや自宅など自由に決められるので、自分が集中できる環境を選ぶことができ、バリバリ働きたい人にも実は相性が良いのです!

リモートワークのデメリット

もちろん、メリットがあればデメリットもあります。

こちらも企業側と社員側の目線別でご紹介します。

企業側のリモートワークのデメリット

リモートワークを導入していない企業には以下のような理由が考えられます。

ICT導入の初期コスト

当然ですが、ICT環境を整えるためのツールや設備、クラウドサービス、書類のペーパーレス化などによる初期投資コストは避けられません。

ただしこのコストでさえ、例えばペーパーレス化によって既存のコピー代を削減できると捉えれば、必ずしもデメリットとは言い切れませんね。

情報漏洩のリスク

リモートワークを取り入れた際、社員一人ひとりにPCやタブレット端末を配布し、各々の自己責任で顧客情報や機密事項などを管理させることになります。

しかし、オフィス以外での企業情報の閲覧は、情報漏洩のリスクを増大させてしまいます。

社外でも問題なく業務を行うには、VPN接続による暗号化通信で社内環境にアクセスするセキュリティ運用が必要になります。

他にも社員に情報管理の指導を徹底する、クラウドサービスを用いて端末にデータを残さない、セキュリティソフトを導入するなどの配慮は必要でしょう。

勤怠管理の煩雑さ

正確な労務管理がややこしくなりがちなのも問題です。作業内容も含めてきちんと働いているのか不安だという上司の声があり、リモートワークに乗り出せないケースもあるとか。

「1日に4回の定期報告を義務付ける」「日報を書く」など事前に制度をしっかり決めることが大事です。

とはいえ、そもそも上司と部下の間でしっかりと信頼関係が築けていたら「きちんと働いているのだろうか」なんて不安はないかと思います。信頼関係を築けているかどうかも重要となってきますね。

コミュニケーションの取りづらさ

対面のやり取りが減るというデメリットもあります。だからこそチャットツールの存在や使い方は重要になるのですが、顔を合わせないオンライン上のやり取りを嫌がる人もいるので、ビデオ通話を適宜行うような配慮が欠かせません。

緊急時の対応

意識はしていても100%素早く反応するのは難しいため、同一オフィス内と比べると緊急時の対応が遅くなってしまうのはデメリットと言えます。

社員側のリモートワークのデメリット

働く側の目線でみるとリモートワークにそこまでのデメリットはないと思われがちですが、3つほどデメリットがあります。

働きすぎ

時間に見合った労働ができていないのではと不安になり働きすぎるケースがあります。

「社員がサボっているのではないか」という上司の不安もありますが、社員側も責任からくる無言の圧力で心理的負担を抱えすぎると、深夜まで仕事に追われたり、仕事うつになったりと本末転倒です。

これは気遣いの精神が強い日本人独特の悩みかもしれませんね。

働かない

リモートワークは特に個人の自主性が大きく影響するため、中には働かなくなってしまう人もいます。

その上、他人の目がないことから「サボってもバレないだろう」という考えが出てきてしまい業務中にも関わらずダラダラと過ごしてしまう人も少なくはありません。

とはいえ、会社側が社員の管理をきちんと行っていればそのような事態は避けられますが、全ての会社で管理体制がしっかりしているとは言えないため、働かない人が出てきてしまうのです。

生産性の低下

「生産性の低下」は上述した「働かない」と繋がってくる内容です。

自主性だけでなく自発性も大きく影響するリモートワーク。自主性もあり、自発性もある人であればリモートワークは最適かもしれませんが、そうでない人はどうしてもサボりがちになってしまったりダラダラと仕事をしてしまいます。すると、それが原因で業務が滞り、生産性が低下することもあります。

働き方改革とリモートワーク

さて、いま紹介してきたリモートワークと密接に関わるのが「働き方改革」。

そもそも働き方改革とは、人口減少・高齢化社会による労働力の低下などの対策として、2016年9月に現行政府が打ち出した国家戦略で、「一億総活躍社会」の実現のために推進されています。

働き方改革を通して、個々人が自分なりの働き方(=ワークスタイル)を見いだし、少しでも多くの人が労働に従事できることを目指しています。

そして、企業が新しいワークスタイルを導入する「ワークスタイル変革」の中の一つがリモートワークなのです。

また、総務省や厚生労働省が東京都などと協力して2017年から行っているリモートワーク推進運動のテレワーク・デイズでは、2020年の東京オリンピック開催期間の混雑緩和も同時に意図していると思われます。

参加団体数は2017年は950団体、2018年は1,682団体、そして2019年は2,884団体と徐々に増加しているので、来年度もより盛り上がることが期待されますね!

>>ワークスタイル変革についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください<<

リモートワーク導入を検討しよう!

ではここから、リモートワークを導入するにあたっての実践的な内容に移ります!

是非参考にしてください!

リモートワークに適した職種

リモートワークは、オフィスに行くことと成果との関わりが薄く、成果物が形を持たない「コト」に関わるコンサルタントやクリエイティブ系の仕事が適しています。

肉体労働に比べて、知識労働をするナレッジワーカーの職種はおおむねリモートワークと好相性ですね。

リモートワークにおすすめのチャットツール

では、リモートワークを実施する際のコミュニケーションを担うチャットツールをご紹介します。

Chatwork(チャットワーク)

Chatworkは、日本生まれのチャットツールです。

機能としては、チャットはもちろん、タスク管理、ファイル共有、ビデオ/音声通話、検索機能、そして社外コミュニケーションにも対応しています。

困ったときのカスタマーサービスも日本語に対応しており、英語に自信がなくても安心して使えますね。

Slack(スラック)

Slackは、アメリカで開発されたチャットツールです。

基本的な機能はChatworkと似ていますが、一番の違いはコードのやり取りがチャット上で簡単にできるところ。そのためエンジニアの方から特に評判がいいです。

なお、デフォルトの機能はChatworkの方が優れていますが、有料プランの一番優れたものに移行したらどちらのサービスも同等になります。

リモートワークにおすすめのタスク管理ツール

続いて、リモートワークを実施する際に便利なタスク管理ツールをご紹介します。

タスク管理とは、簡単にいうと「やることリスト」の管理です。

Trello(トレロ)

タスク管理のアプリでは全世界で一番DLされているTrello

なんといっても魅力は無料ですべての機能が使えるところです。もちろん拡張版にすると外部の主要サービスとの連携の充実・アップロード可能なファイルのサイズ増加・セキュリティの強化が行われるので、大企業などではアップグレード版が望ましいでしょう。

導入を検討する段階において、無料版でも全機能を遜色なく使えるのはありがたいですね。

Todoist(トゥードゥーイスト)

数あるタスク管理ツールで、断然使いやすいのがTodoist

直感的に操作しやすいのが評判です。

タスクの管理と同時に、そこから読み取れることをグラフ化してくれるので、過去の進捗状況を簡単に「見える化」してくれます。

リモートワークにおすすめのオンラインのストレージサービス

リモートワークを実施する際におすすめのオンラインストレージサービスをご紹介します。

ストレージサービスとは、インターネット上にデータを保管することができるサービスのことです。

Google Drive(グーグルドライブ)

Google DriveはGoogleが提供するオンラインのストレージサービスです。

スマホ・PCと媒体を選ばず使えるマルチプラットフォームに対応しているのが魅力ですね。

またGoogle Chromeをはじめとしたサービスが充実しているため、とてもリモートワークに適しています。

スプレッドシートやワード、ドキュメントでオフィスファイルをオンラインで編集・保存できるうえに、ファイルごとの編集権限も設定できるので、データを消去してしまうリスクも低いところは助かりますね。

デフォルトの状態だと15GBしか使えないので、ビジネスシーンではデータ容量が無制限になる有料版がおすすめです。

Dropbox(ドロップボックス)

Dropboxも同様に、ファイルを共有する際のツールとして有名です。

Google Driveに比べてダウンロード速度が早いのが特徴。ただしどちらも高品質で甲乙つけがたいため、まずは試しに使ってみて決めるのがよいでしょう。

下記の記事ではリモートワークにおすすめのITツールについて、より詳しく紹介しているので興味のある方はご覧ください。

>>リモートワークにおすすめのITツールについて詳しく知りたい方はこちら<<

リモートワークの仕組み作りと注意点

さて、リモートワークを導入するにあたって、デメリットであげたような事態がハードルとして考えられます。

リモートワークのルールやマナーをしっかりと制定するためのコツや注意点を抑えておきましょう。

チャット利用時のマナー

リモートワークでは対面の会話が減る分、チャットで密な連携をとることが重要になってきます。

少しでも実際のコミュニケーションに近づけるため、下記をマナーとして意識するよう社員に伝えておくといいでしょう。

  • 即レスを心がける
  • 長文よりも短文を使用
  • 常にチャットをオンラインにしておく
  • 離席時は報告する

また、時として、ビジネスの面においての良いアイデアはランチタイムの雑談などで生じることもあります。

社員同士のコミュニケーション量が低下しないように、雑談用のチャットを別に作成するのも効果的でしょう。

文章のみだと堅苦しい雰囲気になりがちなので、顔文字の使用もおすすめです!

リモートワークのルール設定

上記のマナーは努力義務や風土として取り入れたいものですが、一方でルールとして就業規則に組み込むべき項目もあります。

  • 勤怠管理(報告義務の形式や回数など)
  • 人事評価システム(成果報酬制かどうか)
  • 申請手続き時の詳細(いつまでに誰に申請するか)
  • カフェやコワーキングスペース利用時の金銭負担
  • 機密情報の取り扱い(VPN設定を全端末で徹底する)

これらはトラブルを避けるためにも、しっかり決めておきましょう。

特に評価制度については、適切に成果物を評価できる人材が十分いるかも重要になってきます。

ワークタイムの統一

ただでさえ他の社員との時間の共有が減るので、勤務時間はある程度統一したいですね。そうすることで、チャットの即レスやチームの一体感にも繋がります。

一日中ずっとワークタイムを統一するのが困難なら、特定の時間だけそろえるコアタイム制の選択肢もあります。

情報共有の徹底

働く場所が違うという理由から、チームのリモートワーカーとオフィスワーカーで把握している情報に格差が生じるのは好ましくありません。

チャットツールでのスピード感ある情報共有や、クラウド上で全員が議事録を閲覧できるようにするなどの工夫が欠かせないでしょう。

外部コミュニケーションとの区別

チャットツールを社内の情報共有やコミュニケーションに使用する分には、すぐにリアクションできる点でとても便利です。

しかし、顧客とのやり取りにメッセージの既読機能があるものやオンラインの通知があるものを使用すると、その都度の対応により、メイン業務に集中できなかったり想定外のプレッシャーを感じたりする場合があります。

顧客に応じて優先順位をつけることも難しいため、社外とのコミュニケーションツールは社内とは別のものを使用した方が良いでしょう。

上層部のアクション

社員一人ひとりがリモートワークを利用しやすいように、マネージャークラスから制度を取り入れるのも効果的です。

例えば直属の上司が週に一回は会社に来ない日を作って手本を見せることで、チーム全体が制度を利用しやすい風潮になり、制度が形骸化せずに済みます。

また、リモートワークで頑張っているのに成果が出ない人に連絡をとってメンタルサポートをすることも上司の手腕にかかっているでしょう。

リモートワークの企業事例(国内)

では、ここからリモートワークを実施した企業の例をみていきます!

株式会社リクルートホールディング

人材サービスを幅広く手掛けるリクルート

2016年1月から、雇用形態にかかわらず全ての従業員を対象にした、上限日数のないリモートワークを導入して話題になりました。つまり派遣社員でも適用されます。

また、同時にオフィスのフリーアドレス化も導入しました。

もともと年功序列ではなく成果を評価するリクルートだからこそ、大胆なテコ入れができたのかもしれませんね。

SCSK株式会

ITソリューションの会社のSCSK

2017年から「どこでもワーク」というサービスを実施し、月に2~3回のリモートワークを推奨しています。

また、それ以前から一ヶ月の残業20時間以内を目指す「スマチャレ20」も実施しており、働き方改革に積極的です。

株式会社コスモスモ

大和ハウスグループでインテリアデザイン等を担っているコスモスモア

「上司が部下を間近で見ること=管理、という考え方は必ずしも今の時代にそぐわないのでは」と考えているため、フリーアドレス制と併せてリモートワークを制度化しています。

株式会社日本HP

日本HPはICT化の一端を担うPC関連の会社ということもあって、なんと2007年11月には職種などの制限がない在宅勤務制度の「フレックスワークプレイス」を導入しました。

この制度は、申請の際に在宅勤務をしたい理由もいらず、週2回、月8回まで可能なのが特徴です。

カルビー株式会

カルビーはお菓子を中心にした食品の製造・販売をしている会社で、社員の約半数が女性ということもあり、早期からダイバーシティの推進を図っています。

ダイバーシティ推進の一環として2014年4月から在宅・週2回までを条件にリモートワークを開始しており、2017年4月からは場所・回数の制限をなくしています。

東急リバブル株式会

東急不動産ホールディングスの不動産仲介サービスを手掛ける東急リバブル

2016年から週に1~2回、月6回を上限として、リモートワーク(同社ではテレワークの表現を使用)制度を導入しました。

また、情報漏洩対策として、データを端末に残さないクラウドの仕組みを使ったパソコンも同時に導入しています。

日本マイクロソフト株式会

日本マイクロソフトはもともと在宅勤務の制度があったのですが、それを進化させる形で2016年にリモートワークの制度を導入しました。

勤務場所は自宅のみ・週3回までから制限がなくなり、申請手続きも2週間前までから前日までになり自由度が更に高まりました。

日産自動車株式会

日産は、2014年から全社員を対象にリモートワークを導入しています。原則は1日8時間・月5回までですが、育児や介護の理由であれば総労働時間の半分までリモートワークを行えます。

併せて、コアタイムなしのフレックスタイム制も採用しています。

国外のリモートワーク情勢

日本国内の企業でリモートワークを推進する動きが見られる一方、アメリカのIT系企業では一度導入したリモートワーク制度をあえて撤廃するなど、回帰的な動きも見られます。

例えば、検索エンジンとして知らない人はいないであろうYahoo!。米Yahoo!は2013年に在宅勤務を禁止し、リモートワークができなくなりました。

制度をしっかり定めておらず、在宅時に複業をしたり起業する人もいたそうです。

また同様に米IBMは、もともとフルタイム・リモートワークを推奨していたのですが、2017年5月に数千人の社員をオフィスに戻しました。理由は、社員同士のコミュニケーションが圧倒的に不足したからです。

さいごに

さて、リモートワークに関して理解していただけましたか?

ご紹介した企業のようにリモートワークを導入する企業が続々と増えてきている反面、リモートワークを採用戦略の一つとして取り入れているというだけで、きちんと制度運用をしていない企業も中にはいます。

もしあなたが経営者なら、制度の響きのよさにつられて安易にリモートワークを導入するのではなく、リモートワークを含めたワークスタイル変革を行う目的をはっきりさせた上で、その手段の一つとしてリモートワークを検討すると良いでしょう。

また、米ヤフーやIBMのように、段階的に導入してみたもののビデオ会議では重要な議題を後回しにしてしまうことが多く生産性が低下して廃止する例もあります。

社風に合わないと感じたなら、それを中止するといった柔軟な対応が大切ですね。

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