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ワークスタイルテレワーク・リモートワーク 2021.03.05

テレワーク(在宅勤務)のメリットやデメリットは?問題点や導入課題など解説

テレワーク(在宅勤務)はメリットばかりだと思われがちですが、デメリットもあります。

テレワークを導入するにあたって解決すべき課題が多いのも事実です。

そこで、今回はテレワークのメリット・デメリットから課題に対する対策方法まで徹底解説します。


テレワークとは

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用して、場所や時間にとらわれずに働くことです。

テレワークは実施頻度によって「常時テレワーク」と「随時テレワーク」の2つに分けられます。

「常時テレワーク」とはテレワークを利用する社員の出社回数が月に数回未満のことをいい、「随時テレワーク」とは出社をベースとしながら、週に1~2回テレワーク勤務を実施することをいいます。

また、テレワークは雇用関係の有無によっても分類されます。

雇用型テレワーク」「自営型テレワーク」の2つがあり、雇用型テレワークは企業や団体などに雇用されている従業員や職員がオフィス以外の場所で業務を行うことをいい、自営型テレワークは企業や団体などに雇用されていない人材が好きな場所で働くことをいいます。

そこから更に以下のように分類されます。

雇用型在宅勤務、モバイルワーク、施設利用型勤務(サテライトオフィス)
自営型在宅ワーク、SOHO、内職副業型勤務

下記の記事ではテレワークについて詳しく紹介しているので、興味のある方はご覧ください。

>>テレワークについて詳しく知りたい方はこちら<<

雇用型テレワークのメリット・デメリット

まずは、企業と雇用関係をもつ雇用型テレワークに分類される働き方について解説します。

在宅勤務

在宅勤務とは、企業と雇用関係を持ちながらICT(情報通信技術)を駆使して自宅で就業する形態のことを指します。

在宅勤務とテレワークを混同して用いているケースがしばしば見られますが、在宅勤務はテレワークの中に含まれる働き方の1つです。テレワークは在宅勤務よりも広い概念のため、明確には異なります。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の中でも、事業を継続するために多くの企業が在宅勤務を導入し、今ではメジャーな働き方となりつつあります。

以下の記事では在宅勤務について詳しく紹介しているので、興味のある方はご覧ください。

>>在宅勤務について詳しく知りたい方はこちら<<

なお、メリット・デメリットについては、後述の「テレワーク(在宅勤務)のメリット」「テレワーク(在宅勤務)のデメリット」で説明します。

モバイルワーク

モバイルワークとは、ICTを活用して車内やカフェなどいつでもどこでも自由に勤務できる働き方を指します。就業場所が自宅に固定される在宅勤務や、ワークスペースに固定されるサテライトオフィスとは異なります。

モバイルワークのメリット

企業側と社員側の2つの視点からメリットをご紹介します。

モバイルワークのメリット(企業側)
  • 業務効率が向上する
  • 通勤手当、オフィスなどにかかるコストが削減できる
  • 離職防止、優秀な人材を確保できる
  • 事業継続性が向上する
  • 情報共有が迅速化される
モバイルワークのメリット(社員側)
  • 移動時間を削減できる
  • 通勤ストレスが解消される
  • 隙間時間を有効活用できる
  • ワークライフバランスが向上する

モバイルワークのデメリット

企業側と社員側の2つの視点からデメリットをご紹介します。

モバイルワークのデメリット(企業側)
  • 勤怠管理が難しくなる
  • PCのセキュリティ対策が必須になる
  • 初期導入コストがかかる
モバイルワークのデメリット(社員側)
  • リアルでのコミュニケーション量が減る
  • スケジュール管理能力が必要になる

施設利用型勤務(サテライトオフィス)

施設利用型勤務とは、会社以外のワークスペースで働くワークスタイルのことをいいます。サテライトオフィスやスポットオフィスと呼ばれることが多いです。

サテライトオフィスは目的に応じて「都市型」「郊外型」「地方型」の3つに分類できます。

  • 都市型
    都市部に開設するサテライトオフィスのことです。
    外回りの営業がわざわざ本社に帰る手間を省くことを目的としています。
  • 郊外型
    都市部に本社を持つ企業が郊外に構えるサテライトオフィスのことです。
    ベッドタウンを拠点として通勤時間の短縮に伴うワークライフバランスの実現を目的としています。
  • 地方型
    都市部に本社を持つ企業が地方に構えるサテライトオフィスのことです。
    地方での雇用の促進や、事業継続性の向上、自然豊かな環境での生活を目的としています。

施設利用型勤務のメリット

企業側と社員側の2つの視点からメリットをご紹介します。

施設利用型勤務のメリット(企業側)
  • 通勤やオフィスにかかるコストが削減できる
  • 震災や疾病などのリスクを分散できる
  • 地域との連携強化が可能になる
  • 離職防止、優秀な人材を確保できる
施設利用型勤務のメリット(社員側)
  • ワークライフバランスが向上する
  • 家族を気にせず仕事に集中できる
  • 通勤ストレスが軽減される
  • 移動時間の削減に伴い時間の有効活用ができる

施設利用型勤務のデメリット

企業側と社員側の2つの視点からデメリットをご紹介します。

施設利用勤務のデメリット(企業側)
  • 組織力が低下しやすい
  • セキュリティ対策が必要になる
施設利用勤務のデメリット(社員側)
  • コミュニケーション量が減ってしまう
  • スケジュール管理能力が求められる

自営型テレワークのメリット・デメリット

企業や団体などに雇用されていない人が好きな場所で働く自営型テレワークについてご紹介していきます。

在宅ワーク

在宅ワークとは、企業と雇用関係を持たずに「個人事業主」として、パソコンやインターネット等のIT機器を活用し、自宅で仕事を行う働き方のことです。

ただし、雇用・非雇用問わず、自宅に限らないで好きな場所で働くことを「在宅ワーク」と呼ぶ場合もあります。

>>在宅ワークについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください<<

在宅ワークのメリット

  • 時間が自由に使え、自分のペースで働ける
  • 集中して業務に臨める
  • 会議やミーティングが短く済む
  • 得意な業務の特化・選択で専門性を高められる
  • 納品を終えたときに達成感がある
  • 人間関係に気をつかわなくていい

在宅ワークのデメリット

  • 報酬が少ない場合もある
  • 時間管理、仕事の管理がすべて自己責任になる
  • 働きすぎてしまう
  • 責任の重圧を感じる
  • 仕事で頼れる人が少ない
  • モチベーションの維持がむずかしい
  • 慢性的な運動不足になりやすい

下記の記事では在宅ワークのメリットとデメリットについて詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。

>>在宅ワークのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら<<

SOHO

SOHOとは「Small office Home office」の略で、一般財団法人 日本SOHO協会によると、SOHOとは、IT(情報通信技術)を活用して事業活動を行っている従業員10名以下程度の規模の事業者としています。

SOHOに明確な定義があるわけではありませんが、一般的には仕事の専業性が高く、独立自営の度合いが高い働き方と解釈されています。

SOHOのメリット

  • 働く時間や場所を選べる
  • 通勤負担が軽減できる

SOHOのデメリット

  • 設備や備品などを自分で準備しなければならない
  • 時間管理、仕事の管理がすべて自己責任になる
  • 収入が安定しにくい

下記の記事ではSOHOの意味やメリット・デメリットについて詳しく紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

>>SOHOの定義やメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら<<

内職副業型勤務

内職副業型勤務とは、容易な業務を中心に行う独立自営の度合いが薄い働き方を指します。製品の検品やパッケージングなど手作業を中心とした仕事が多く、パソコンを駆使して作業をすることが多い在宅ワークとは仕事内容が異なります。

内職副業型勤務のメリット

  • 好きな場所で働ける
  • 空き時間を有効活用できる
  • 誰でも始めやすい

内職副業型勤務のデメリット

  • SOHO以上に収入が安定しにくい
  • 低単価の仕事が多い
  • 時間管理、仕事の管理がすべて自己責任になる

テレワーク(在宅勤務)のメリット・利点

近頃、導入が一層加速しているテレワークですが、テレワークを導入するとどのようなメリットを得られるのでしょうか。

テレワークを導入した際のメリットを企業側と社員側の2つの視点からご紹介します。

企業側のメリット

業務効率や生産性が向上する

テレワークを導入すると、通勤時間の削減および通勤ストレスの解消につながります。

その結果、労働者の集中力および労働生産性の向上が見込めます。

テレワーク導入と一社当たり労働生産性

引用:総務省平成28年通信利用動向調査

実際に、総務省が2017年に公表した「平成28年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入していない企業では労働生産性が1社あたり599万円であるのに対して、テレワークを導入している企業の労働生産性は1社あたり957万円であるとされています。

この結果を見る限り、テレワークを導入することで労働者の生産性向上につながっていると言えます。

離職率が低下する

離職率を下げられることもメリットの1つです。

育児や介護といった仕事との両立が難しい事情は離職を招く要因でもあります。

しかし、テレワークを活用すればワークライフバランスを実現できるので、育児や介護と並行して仕事ができます。

現代社会において女性の活躍は必要不可欠ですが、日本では女性の離職率は男性に比べて高いのが現状です。

厚生労働省の「平成30年雇用動向調査結果の概況」によると、2018年の離職率は全体で14.6%で、男女別に見ると、男性は12.5%、女性は17.1%と差があります。

女性にとって働きやすい環境を形成できるテレワークは、そうした状況を打破する1つの鍵になるかもしれません。

様々なコストを削減できる

テレワークを導入することの大きなメリットの1つがコストの削減です。

テレワークを導入することでオフィススペースにかかる賃料・光熱費を節約できるほか、通勤手当のカットや、離職率の低下による採用コストの削減、それに伴い新人の人材育成コストの削減が期待できます。

優秀な人材を確保できる

テレワークは、採用にかかる場所の制限がないので、従来は採用できなかった地方や海外の優秀な人材を確保できます。ゆえにテレワークはフレキシブルな人材の採用を可能にし、人材採用の幅を広げる一手になり得ます。

企業イメージが向上する(先進的なイメージ、ワークライフバランスの向上)

テレワークを導入すると世間からのイメージアップが期待できます。

テレワークという新しいワークスタイルを柔軟に取り入れる企業の先進的な姿勢は世間から評価される要素になり得るからです。

また、テレワークにより社員のワークライフバランスが充実し、離職率の低下や従業員満足度が向上すれば社員を大切にする企業として採用においても有利になります。

事業継続性が向上する(災害時や感染症が広まった時でも業務が可能)

事業継続性が高い点もテレワークのメリットです。

災害や感染症の蔓延など、出社することが厳しい事態が発生しても、テレワークであれば自宅で通常通り業務を行えます。

実際に、2020年に新型コロナウイルス(COVID-19)が拡大した際にテレワークを導入する企業が急増した背景には、テレワークのもつ事業継続性の高さがありました。

社員の自己管理能力が向上する

テレワークでは上司や同僚の目が届かないため、良くも悪くも労働者は自分自身で業務のスケジュールやタスクを管理しながら仕事を進める必要があります。

オフィスであれば、上司や同僚の目があることから怠けず業務を遂行できますが、周りの目がない家の中でも怠けずに、自ら何をすべきか考え行動できる自己管理能力を身につける機会としてテレワークを位置づけることもできます。

社員側のメリット

テレワークのメリットは企業にとってだけでなく、テレワークを実施する社員にも存在します。

ここからは、テレワーカーが享受できるテレワークのメリットをご紹介します。

ワークライフバランスが充実する

テレワーク時は、通勤にあてていた時間をプライベートの時間にあてられるので、オフィスワーク時よりも充実度の高いワークライフバランスを実現できます。

空いた時間を自己投資や趣味に使えば、日々の生活をより豊かにすることも可能です。

また、育児や介護など、職場を離れざるを得ない事情を抱えていたとしても、テレワークを活用すれば離職をせずに済みます。

通勤ストレスがなくなる

テレワークであれば、満員電車で人混みに揉まれながら通勤するストレスが一切なくなります。

また、遠方から通勤をする人にとっては、通勤時間を見越して早く起きる必要がなくなるため、睡眠時間を長く確保することも可能です。

居住地の選択肢が広がる

オフィスワークの場合は、会社に通勤できる範囲内での居住地に選択肢が限られる一方で、テレワークであれば、就業場所の制約はなくなるため自分の好きな場所に住居を構えられます。

家族とのコミュニケーションが増加する

出社の必要がある場合、自宅で家族と接する時間は限られます。

しかし、テレワークであれば自宅で生活する時間が長くなり、家族間の絆を深めることも可能です。もし配偶者が自宅で仕事をするようになれば、家庭での時間が増えて夫婦円満につながるかもしれません。

ただし、中には夫婦で一緒にいる時間が長くなることで衝突が増えて関係にひびが入ってしまうこともあるようです。家族とのコミュニケーションの増加を肯定的に捉えるか否定的に捉えるかは、個々の家族によるものだということを理解しておきましょう。

職場での人間関係のストレスがない

職場の人間関係に悩まされている人にとって人間関係の悩みを気にする必要がなくなる点は大きなメリットです。テレワークだからといって苦手な人と一切関わらなくて済むわけではありませんが、オフィスワーク時よりは人間関係上のストレスを減らしやすくなります。

仕事の自由度が増す(仕事の時間を決められる・営業効率の向上)

テレワークの場合、オフィスワーク時よりも仕事を進めるペースや時間の自由度は高くなります。

特に営業職では、テレワークを利用すればWeb会議ツールで商談ができるようになるため、移動時間を削減できます。それにより、商談回数を増やせたり、営業活動を遠方地域に広げられたりと様々なメリットが得られます。

ただし、仕事の自由度が高くなることは自分自身で時間を管理し、作業を進めなくてはならないことを意味します。

テレワークという人の目が届かないところでも怠けずに作業をする姿勢と、次に何をするべきかを考える意思決定をきちんと行う必要があります。

そのため、仕事の自由度が高いテレワークは、自分で考えて物事を進めることが得意な人に向いているといえるでしょう。

業務に集中しやすい

オフィスワーク時は、優先的に取り組まなければならない業務があるときでも、電話の応対や周囲の社員とのやり取りが発生し、集中力がそがれるケースがあります。

一方でテレワーク時は、自分が働きやすい環境を作り上げられれば周囲から作業を妨げられることは少ないので業務に集中しやすくなります。

しかし、育児や家事を行いながら仕事をしていたり、ワークスペースに漫画やテレビなどの誘惑物が多かったりすると、オフィスワーク以上に作業に集中しにくくなるケースもあるため注意が必要です。

そうならないよう、テレワークでは自分が仕事に集中しやすい環境を意識的に作り出すことが重要になります。

私服で働ける

全ての業務に当てはまるわけではありませんが、在宅で仕事をする場合、比較的自由な服装で業務に取り組んでも問題ありません。

自分がリラックスしやすい服装で作業をすれば仕事も捗ります。

ただし、テレワーク時であっても唐突にWeb会議が入る可能性があるほか、服装を整えたほうが仕事のやる気が出やすい方もいますので、私服で働くかどうかは一度吟味したほうがいいでしょう。

テレワーク(在宅勤務)のデメリット・課題

これまでテレワークのメリットに焦点を当てて説明をしてきましたが、実はテレワークにはデメリットも多く存在します。

次項ではテレワークのデメリットについて詳しくご紹介します。

企業側のデメリット

まずはテレワークを導入した際に懸念される企業側のデメリットについてご紹介します。

環境整備コストがかかる

テレワークでは、リモートでも作業を滞りなく実施できるICT環境を整えなければならず、導入にコストがかかります。

例えば、パソコンをはじめとする情報通信機器から勤怠・労務管理ツール、Web会議ツールなどが挙げられます。

また、テレワーク時の生産性を低下させないためには、作業デスクやチェアの支給、サテライトオフィスの準備なども企業側で負担する必要があります。

このようにテレワークは導入時に想定以上にコストがかかるものです。

そこで、テレワークの実施に要した費用の一部を補填してくれる厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」や、中小企業が抱える課題やニーズに応じてITツールの導入を補填してくれる経済産業省の「IT導入補助金」など、国が設ける各種助成金への申請をしたり、通勤手当を廃止してその分浮いた費用を環境整備費用にあてたりする工夫が大事でしょう。

情報漏えいのリスクが高まる

テレワークを導入した場合、自社の情報端末を社員が社外に持ち出して使用することになるため、情報漏えいやウイルス感染のリスクが高まります。

万が一の事を考えて社員のPCがサイバー攻撃を受けても対処できるようセキュリティ対策を万全にしておく必要があります。

セキュリティ対策としてはPCのセキュリティ対策を万全にしておく方法と、社員のセキュリティ対策に対する意識を啓蒙することの2つのアプローチ方法があります。

まず、PCのセキュリティ対策を万全にするには、VPNとUTMを組み合わせる方法が一般的です。

VPNとはVirtual Private Networkの略称で、第三者の侵入を防ぎデータの盗聴や改ざんなどに対応した安全なネットワークを構築する技術です。

一方、UTMとはUnifield Threat Managementの略称で、総合的なセキュリティ対策を実施するシステムです。

これら2つの技術を組み合わせて利用することで、情報漏えいのリスクを減らせます。

また、システムの完備だけでなく、研修やテストを通して社員のセキュリティに対する意識を啓蒙することも重要です。

社員一人ひとりがセキュリティに対して十分な知識を有し、危険な行為を避けるよう社内教育を徹底する必要があります。

その他にはシンクライアントという社員側の端末にデータを保持させない仕組みを導入することも有効です。徹底した対策を実施し、情報漏えいリスクを減らしましょう。

部下のマネジメントがしにくい

テレワークだと、勤怠管理や業績評価が難しくなり、部下のマネジメントをしにくいという課題があります。

まず勤怠管理に関して、テレワーク時は社員の労働の実態を直接見られなくなると同時に、労働時間を把握することが困難になります。

また、社員はプライベートと仕事を混同して緊張状態が持続してしまったり、作業の成果にこだわったりすることで長時間労働が生じるリスクもあります。そうならないよう、企業としてテレワークに応じた勤怠管理の仕組みを整備することが重要になります。

2点目にテレワークでは部下の人事評価が難しくなります。

従来は成果だけでなく、成果を挙げるまでの過程や行動も評価するケースが一般的でしたが、テレワークを導入すると成果を挙げるまでのプロセスや勤務態度を評価しにくくなります。

そのため、テレワークでは成果を重視した人事評価システムに移行したほうが明確かつ正当な評価基準を設けやすくなります。

また、人事は社員と直接コミュニケーションを取る回数が減ってしまうので、人事評価においてムラがでないように注意を払う必要もあります。

人事評価において、成果のみを評価対象とするのか、あるいは、働きぶりや面談での発言などを総合的に評価するのかをあらかじめ決定し、評価のばらつきをなくすことが大切です。

また、テレワークに適した形に変更した人事評価項目を社員に共有して社内で評価方法を明確化したり、社員個人が目標を定め、上司がその達成度に対してフィードバックを行う目標管理制度を整えたりする取り組みも有効だといえます。

社員の一部に方針変更に対する抵抗感を感じさせる

出社して仕事をするという日本の伝統的な働き方に馴染んだ人にとっては、テレワークをいきなり導入することで抵抗感を覚えるケースもあるようです。

抵抗感を覚える原因には、新たな取り組みを導入することで業務に支障は出ないのか、自分に不利益になることはないのかといった不安が関係しているのかもしれません。

会社としては、テレワークを導入する目的やメリットだけでなく、社員が抱える不安に耳を傾け、会社はどのような対応を取るのかをきちんと説明することが求められるでしょう。

緊急時の対応に遅れる

顔を突き合わせて仕事をするオフィスワークでは情報をすぐに伝えられますが、テレワークでは直接伝達できないので、どうしても情報伝達のタイムラグは大きくなってしまいます。

ただし、オンラインでのやりとりを円滑にしてくれるコミュニケーションツールを利用することで、情報伝達のスピードはある程度担保できるので、積極的に活用しましょう。

労災認定が困難になる

テレワークでは労働災害が適用されるか否かの判断が難しくなります。

そもそも労働災害とは業務に起因して起きる災害のことで、労働災害が認められた場合に給付を受けられます。

この労働災害を適用するためには、業務と傷病の間に因果関係が認められる必要があります。

しかしテレワークでは、労働時間とプライベートの時間が混同されてしまうので、傷病の原因は私的行為なのか、業務に関係した行為なのかの判別が困難になります。

判別が困難であるからといって、労働災害は全く認められないわけではありません。

厚生労働省が出している「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」には労働災害が認定される事例を紹介しているので、社員にも一度労災の認定事例を説明しておくと良いでしょう。

>>テレワーク(在宅勤務)における労災について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください<<

人材育成がしにくい

リアルな場での社内教育やOJTは実施可能ですが、テレワークでは社員との直接的なコミュニケーションがとれない上に、労働実態を把握しにくいことから人材育成が難しいといった懸念点があります。

こうした状況の中でも、テレワーク時の人材育成が可能となる方法が注目されています。

それは、「1on1」という手法です。

この手法は主にアメリカで定着した方法で、アメリカでは多くの企業が1on1を活用しています。

「1on1」とは1on1ミーティング、つまり上司と部下が1対1で行うミーティングのことで、上司は部下に気づきを与え、成長を促す人材育成方法です。

この1on1であれば、対面でなくてもWeb会議ツールを利用して行えます。

1on1の効果は大きく以下の3点が挙げられます。

  • 社員の育成
  • 社員間の信頼の醸成
  • 上司のマネジメント力の向上

1on1を効果的に活用してテレワーク時も人材育成を進めていきましょう。

社員側のデメリット

続いて、テレワーク時の社員側のデメリットをご紹介します。

長時間労働になりやすい

テレワークではオンとオフの切り替えが難しく、メリハリをつけにくいことから、ついつい労働時間が長くなってしまう傾向にあります。

また、労働時間を延長する際に、責任感から残業を申告しづらく感じ、サービス残業として片付けてしまうケースも多いようです。

仕事のモチベーションの低下にもつながりかねないので、残業はきちんと報告するようにしましょう。

仕事とプライベートが混同する

テレワーク時は、労働時間とそれ以外の時間の区別をつけるのが難しくなり、常に緊張状態が続いてしまうことがあります。

そのため、テレワークを利用する社員は仕事とプライベートの区別をきっちりと分けられる自己管理能力が求められます。

テレワーク時にメリハリをつける方法として、作業の中心となるデスクまわりや仕事部屋の整理整頓が有効です。

単純に整理するだけでなく、断捨離をして不要なものを取り除いていき、オフィス同様に仕事に集中できる環境を作ることをおすすめします。漫画やスマホといった手に取りやすい誘惑物は仕事部屋に置かないようにしましょう。

また、自宅をオフィス化できるオフィスデスクやオフィスチェアを買えば仕事のスイッチが入りやすくなります。加えて、テレワーク時は服装の自由度は高いですが、あえて身なりを整えて緊張感をもたせれば、仕事スイッチが入りメリハリをつけやすくなるかもしれません。

長時間の作業でも集中力を保つおすすめの方法として「ポモドーロ・テクニック」をご紹介します。

これは、25分間の作業と5分間の休憩を1セットとしてサイクルを回す方法です。1セットをポモドーロと呼び、1ポモドーロという短いスパンで目標の業務量をこなそうと努力することが大切です。

また、1ポモドーロごとにスケジュールを細かく区切れば作業のスケジュールを立てやすいというメリットがあります。

テレワーク時の生産性を高めたいという人は活用してみてはいかがでしょうか。

正当な評価を受けづらい

会社側のデメリットでも紹介したように、テレワークでは社員の働きぶりをきちんと把握することが難しくなるので、社員は正当な評価を受けられない可能性があります。

正当な評価を受けるために重要なことは、仕事に関係ない雑談も含めて日頃から上司と積極的にコミュニケーションをとることです。

上司と親密な関係を築いておくことで、自身の勤務態度や仕事の進捗を理解してもらいやすくなり、納得のいく評価を得やすくなります。

コミュニーケーションが希薄化する

テレワークでは出社時と比較して、人とのコミュニケーションの機会が少なくなるので、周りに仲間がいない孤独感に襲われたり、ストレスが溜まりやすくなったりします。

また、仕事の相談や依頼も気軽にできないといったことや、暗黙知の共有が難しく業務に支障が出てしまうなどといった弊害もあります。

さらに、外部の人との接触回数が減ることで、日頃無意識のうちに受けていた刺激が少なくなり、発想がワンパターン化しやすくなります。

そのため、業務の時間とは別に、意識的に人に会う時間を確保してリフレッシュを図るといいでしょう。

慢性的な運動不足になる

通勤や取引先への訪問など、オフィスワークのときは体を動かす機会もありましたが、テレワークでは基本的に移動もすることなくデスクに座ってパソコンを操作する業務が続くので、運動不足になりやすいです。

休憩時間にはストレッチをして血流を良くしたり、休日には体を動かしたりすることで日頃の運動不足を補うようにしましょう。

家庭環境に左右される

テレワークを導入すると労働生産性が上がるケースもありますが、家庭環境によっては生産性が低下する場合もあります。

その最たる例は育児です。育児をしながら仕事をしていると、業務時間の合間に子供にご飯を作ってあげたり、あやしてあげたりしないといけないため、オフィスで仕事をする場合と比較して業務効率が下がってしまいます。

また、自宅のインターネット回線や通信速度が不十分である場合は、業務をスムーズにこなすことが難しくなります。

テレワークの生産性が上がるか否かはケースバイケースなので、注意しましょう。

テレワークを導入できる仕事が少ない

テレワークの導入を検討したけど、テレワークを導入できる仕事が少ないというケースも多いです。

総務省が公表している「令和元年通信利用動向調査報告書」で令和元年(2019年)時点でのテレワーク導入状況を見ると、「金融・保険業」「情報通信業」ではいずれも40%を超えている一方で、「運輸業・郵便業」「サービス業、その他」でのテレワーク導入率は20%を下回る結果がでています。

このように、業界によってテレワークとの相性の良し悪しは異なります。

この問題に関しては、職種という広い範囲で導入を検討するのではなく、業務単位の小さなくくりで導入を検討することが大切です。

業務単位の細かな分類で見ると部分的に導入できる箇所は意外にも多いことに気づきます。

そのため、まずは業務の棚卸しを行い、導入のハードルが低い箇所から段階的に導入していきましょう。

テレワークが進まない背景

日本ではテレワークの導入率は増加傾向にありますが、世界の国々と比較すると未だに導入が進んでいない傾向にあります。

内閣府の「テレワークの適切な導入及び実施のためのガイドライン」では、日本でテレワークの導入が進みにくい3つの理由を、アメリカとの比較から説明しています。

第一は、「大部屋主義」という考えです。

日本では愛社精神を持つ社員同士で協力しながら作業を進めるという大部屋主義の考え方が一般的です。

一方、アメリカでは、社員の業務範囲や責任を定めたジョブディスクリプションに基づいた人材マネジメントが行われています。そのため、個々が仕事に責任を負う分、担当業務への裁量も大きく、自分の好きなように仕事を進められます。結果として、個々で仕事を進めるアメリカではテレワークとの相性が良い一方で、社員一人ひとりの裁量が小さくチームプレーを前提とする日本ではテレワークが根付きにくくなっています。

第二は、「報酬=時間」という考えです。

日本では生み出した仕事の成果に関わらず、勤務した時間に応じて報酬が支払われる考えが根付いています。

一方、アメリカでは、報酬は成果に紐づく形で支払われるため、業務に要した時間は報酬に影響を与えません。そのため、仕事の成果さえ生み出せばよいアメリカではテレワークとの相性が良い一方で、勤務態度や労働時間といった「働いている事実」が重要視される日本では、社員の勤務状況を把握しにくいテレワークとの相性が悪いという問題があります。

第三は、「終身雇用」です。

日本では終身雇用の考え方が根付き、良くも悪くも社員の立場が守られています。そのため、企業は仕事の能力が低い社員がいたとしても簡単には解雇できません。

一方、アメリカは、社員をいつでも理由なく解雇できる任意雇用という考えが根付いており、テレワーク時に求められる成果を出せない社員がいれば解雇することが可能です。

しかし、日本では社員を簡単に解雇できないので、テレワーク時も上司が部下の管理を行うことで社員の生産性が低下しないよう努めなければなりません。

以上、「大部屋主義」、「労働時間に紐付いた報酬体系」、「終身雇用」の3つの考えがテレワークの導入を阻んでいる要因とされています。

テレワークの導入方法

テレワークには多くのメリットがありますが、それらのメリットはテレワークを正しく導入しなければ享受できません。

そこで実際にどのような手順を踏んで導入すれば制度として機能するのかをご紹介していきます。

テレワークを導入する大まかな流れは以下のようになります。

  1. テレワークの導入目的を整理し、導入の必要性を十分に検討する
  2. テレワークを推進するプロジェクトチームを結成する
  3. テレワークを導入する対象範囲を決定する
  4. テレワーク導入の際に課題となる点を洗い出す
  5. テレワークに関する取り決めを作成する(導入計画の策定)
  6. ICT(情報通信技術)環境整備およびセキュリティ対策の実施
  7. テレワーク導入のための教育・研修を実施する
  8. テレワークの導入の効果測定・評価

下記の記事では上記でご紹介した手順を一つずつ詳しく解説しているので興味のある方はご覧ください。

>>テレワークを導入する流れやポイントについてはこちら<<

テレワーク(在宅勤務)がもつ課題に対応できるおすすめのITツール

テレワーク(在宅勤務)時には、勤怠管理や社員同士のコミュニケーション、プロジェクト管理、ナレッジ共有、セキュリティ対策などたくさんの課題がありますが、きちんと対策をすれば対応できないわけではありません。

テレワークのデメリットに対処する際に特に有効なのが、テレワーク用のツールの導入です。

例えば、テレワーク時に懸念される社員同士のコミュニケーションの希薄化は、SlackChatworkというビジネスチャットツールを活用することで解消できるほか、社員の働きが見えにくいテレワークにおいて、ジョブカン人事労務freeeといったクラウド型勤怠管理ツールを使えば社員の勤怠管理、労務管理が簡単になります。

また、テレワークでは社員の仕事の進捗を管理することも一苦労ですが、Jootoというプロジェクト管理ツールを使うと、顔を突き合わせなくてもチームメンバーの進捗状況が確認できます。

このように、ITツールを駆使することでテレワークの課題に対処することが可能です。

テレワーク(在宅勤務)に向いている仕事、向いていない仕事

これまで説明してきたように、テレワークには多くのデメリットがあります。そのため、テレワークには向いている仕事と向いていない仕事があり、すべての仕事でテレワークのメリットを最大限に享受できるというわけではありません。

以下ではテレワークには向いている仕事と向いていない仕事をそれぞれご紹介します。

まずはテレワークに向いている職種として代表的なものには以下のものがあります。

  • IT系エンジニア(システムエンジニア、プログラマー、コーダー、)
  • デザイナー・イラストレーター
  • ライター・編集者
  • Webマーケター
  • 営業・セールス(内勤営業、インサイドセールス)
  • カスタマーサポート
  • オペレーター
  • 事務・アシスタント(データ入力)

「情報が漏洩した際のリスクが低い業務(個人情報や企業機密を在宅時に取り扱わない)」、「成果がわかりやすい」、「一人で作業が行える」という要素が、テレワークに向いている業務の特徴です。

一方、テレワークに向いていない職種としては以下のものがあります。

  • 製造業の組み立て・加工
  • 接客を伴う職種
  • 医療・福祉系
  • FAX・押印などが必要な業務

「稟議書や請求書など、紙の書類を多く扱う業務」や「人と直接合ってサービスを提供する接客業や医療・福祉系の仕事」はテレワークには向いていない仕事になります。また、製造業も、生産に使う機械や設備のある場所での作業となるため、テレワークには向いていない仕事と言えます。

このように、職種ごとにテレワークに対する適不適があります。

しかし、デメリットの項目でもお伝えした通り、職種という広い範囲で導入を検討するのではなく、業務単位の細かな分類で見ると部分的に導入できる箇所は意外にも多いため、業務単位の小さなくくりで導入を検討しましょう。

テレワークツールの導入した企業の事例

テレワークを上手く活用し、導入課題を解決した企業は意外と多く存在します。

その一例として向洋電機土木株式会社とカルビー株式会社を取り上げます。

向洋電機土木株式会社

建設業を営む向洋電機土木株式会社は2008年から経営効率の向上・改善を目的に、「家族にPCを見られない環境」という条件のもと、全社員25名を対象として在宅勤務の導入を始めました。

向洋電機土木株式会社ではテレワークを導入したことにより、自動車のガソリン代の縮小や本社での電力消費量の減少によるコスト削減、ワークライフバランスの向上に伴い社員の業務への集中度が増したことから生産性が上がるという効果がありました。

また、テレワークにより社員一人ひとりの自由裁量権が拡大したことで、人材育成にも一定の効果がありました。

導入課題の一つでもある在宅勤務時の社員管理については、在宅勤務申請時に行う業務内容の事前報告、業務の遂行状況の報告、勤務終了時に業務日報の提出などの取り組みを通じて、在宅勤務者の円滑なマネジメントを可能にしています。

カルビー株式会社

「じゃがりこ」や「かっぱえびせん」で有名なカルビー株式会社は2014年4月より週2日を上限とする在宅勤務制度の本格的な導入を開始しました。カルビー株式会社では当制度の導入の目的を「社員の働き方に対する意識改革」と位置づけています。

在宅勤務を導入した成果として、社員を対象に2013年に実施した在宅勤務に関するアンケートでは、「通勤ストレスの解消」や、「ワークライフバランスの向上」などを理由にテレワークの導入は高い評価を得ており、女性が活躍しやすい環境が実現されています。

こうした取り組みもあり、カルビー株式会社は、女性活躍推進に優れた上場企業がノミネートされる「なでしこ銘柄2014」に選定されています。

さいごに

テレワークは一長一短ですが、テレワークの問題点を理解した上で、十分な対策を取れば、企業の抱える課題を解決する鍵になるかもしれません。

この記事がテレワークの導入を検討する一助となれば幸いです。

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